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「代表的HIITプロトコル3選:Tabata・4×4分・Little法でVO₂maxはどこまで伸びる?」
VO₂maxのトレーニング法
「VO₂maxを効率的に上げたい」──そんな人にとって、高強度インターバルトレーニング(HIIT)は非常に有力な手段です。
ただしHIITといっても方法はさまざま。短時間で行う「Tabata」、長めの高強度を繰り返す「4×4分」、低ボリュームで続けやすい「Little法」など、プロトコルごとに特徴と効果が異なります。
今回は、それぞれの方法とVO₂maxの改善効果をエビデンスとともに解説します。
研究の概要(取り上げる3つのプロトコル)
- Tabataプロトコル:超高強度・短時間で行う代表的なHIIT
- 4×4分インターバル(Helgerud法):やや長めの高強度を繰り返す方法
- Little Method(Gibalaら):低ボリューム・効率型HIIT
主な結果と方法
1. Tabataプロトコル
- 方法:
- 20秒の全力運動(170%VO₂max相当)
- 10秒休憩
- 8セット(合計4分間)
- 週4回、6〜12週間継続
- 効果:
- 6〜12週間で VO₂maxが9〜15%改善
- 12週間のRCTでは VO₂maxが約12〜13%増加(効果量 d=2.2〜2.5)【Tabata I, J Physiol Sci 2019】
2. 4×4分インターバル(Helgerud法)
- 方法:
- 4分間 90〜95%HRmax(ほぼ全力に近い強度)
- 3分間の低強度回復
- 4セット(合計約28分)
- 週3回、8週間程度
- 効果:
- 8週間で VO₂maxが約7.2%改善
- 一般的な持続的ジョギング(MICT, 70%HRmax 45分)よりも改善幅が大きいと報告【Helgerud J, Med Sci Sports Exerc 2007】
3. Little Method
- 方法:
- 60秒 95〜100% VO₂max(高強度)
- 75秒の回復
- 8〜12セット(合計20〜30分)
- 週3回、2週間〜数か月
- 効果:
- 2週間の介入でもVO₂maxが 約6〜8%改善
- 持続的中強度運動(MICT, 40〜60分)の75〜90%少ない運動量で、同等の改善が得られる【Gibala MJ, J Physiol 2006】【Vollaard NBJ, Sports Med Open 2023】
考察
- Tabataは短時間で効果が大きいものの、強度が非常に高く継続は難しい。
- 4×4分法は比較的実践しやすく、医学研究で最もエビデンスが多いプロトコル。
- Little法は「短時間・低ボリューム」で効果を得られる効率型で、忙しい人にも実践可能。
つまり、短時間で一気に鍛えたいならTabata、持続的に取り組みたいなら4×4分、時間効率を求めるならLittle法という選択肢が考えられます。
実生活へのヒント
- 初心者は 4×4分インターバルから導入するのがおすすめ。
- 忙しい人や短時間で効果を出したい人は Little法で取り組みやすい。
- アスリートや上級者は Tabataで限界突破を狙える。
- 無理のない範囲で始め、体調に合わせて調整することが重要。
まとめ
代表的なHIITプロトコルはいずれもVO₂maxを改善しますが、方法と強度によって効果や継続性は異なります。
自分の体力・ライフスタイルに合った方法を選ぶことが、持続的な成果につながります。
引用文献
- Tabata I. Tabata training: one of the most energetically effective high\intensity intermittent training methods. J Physiol Sci. 2019.
- Helgerud J, et al. Aerobic high-intensity intervals improve VO₂max more than moderate training. Med Sci Sports Exerc. 2007.
- Wen D et al, Effects of different protocols of high intensity interval training for VO2max improvements in adults: A meta-analysis of randomised controlled trials. Journal of Science and Medicine in Sport. 2024.