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「VO₂maxは競技力の鍵?実証された研究で見るその重要性」
競技パフォーマンスとVO₂max
競技パフォーマンスの向上を目指す上で、「VO₂max」という指標の意味をどう捉えるべきでしょうか。今回は、信頼できる研究に基づき、「VO₂maxが実際にパフォーマンスにどうつながるのか」をわかりやすく検証します。
1. サッカー選手のフィールドパフォーマンスとの相関
Kavanaghら(2023)
- プレミアリーグ・アカデミー選手17名を対象に、ラボでのVO₂max(vVO₂max)と1200 mシャトル走との関係を調査。
- 結果:シャトルテストによる最大有酸素速度(MAS)の値は、VO₂maxの予測に有意で、個別化されたトレーニング設計の指標になる可能性が示されました。
- つまり、VO₂maxが高い選手ほど、高強度・反復プレーにも強いという傾向が見えます。
2. 持久力の上限を示すVO₂maxの重要性
Bassett & Howley(2000)
- VO₂maxが「持久運動の上限を決定する重要な変数」であり、ランニング・エコノミーや乳酸閾値、VO₂maxの効率的利用が競技持久力に直結すると述べられています。
- 要は、どんな競技でも長時間高いパフォーマンスを維持したいなら、VO₂maxの向上は欠かせません。
考察
- サッカー選手の実データは、フィールドパフォーマンスとの関連性を具体的に裏付け。
- 理論的・生理学的観点からの裏付けもあるため、VO₂maxは競技力向上の重要指標として採用に値します。
実生活への応用(アスリートや指導者向け)
- フィールドでの簡易テスト(シャトル走など)にVO₂maxの指標を活用することで、個別トレーニング設計が可能。
- 中長距離のレース、持久系スポーツでは、VO₂max向上を基盤にしたトレーニングプランが成果を左右します。
引用文献(参照用)
- Kavanagh R, McDaid K, Rhodes D, Connor M, Oliveira R, Varley I, Morgans R. The Relationship between VO₂max and 1200 m Shuttle Run Performance in Elite Academy Football Players. Int J Sports Exerc Med. 2023;9:261.
- Bassett Jr. DR, Howley ET. Limiting factors for maximum oxygen uptake and determinants of endurance performance. Med Sci Sports Exerc. 2000;32(1):70–84