2型糖尿病の最新統計2025|日本の現状・原因・予防法を医師解説

【最新統計2025年版】世界で急増する2型糖尿病|日本の現状と予防策

世界で急増する2型糖尿病(T2D)の現状を、WHO・厚労省・IDFの最新統計から解説。日本の有病率や原因、予防策まで詳しく紹介します。


はじめに

近年、健康診断で「血糖値が高め」と言われる人が増えています。

あなたの周りにも、糖尿病やその予備群の方はいませんか?

糖尿病は一度発症すると完治が難しく、合併症によって生活の質を大きく損なう可能性があります。

実はいま、世界中で2型糖尿病(T2D)の患者数が急増しており、日本も例外ではありません。本記事では、その最新統計と背景をわかりやすく解説します。


世界の糖尿病最新統計(2025年版)

  • 情報源と発表年
    • 世界:WHO(2024年報告)、国際糖尿病連合(IDF, 2025年版)
    • 日本:厚生労働省統計、IDF(2025年版)、過去の疫学調査データ
  • 対象地域
    • 世界全体(低・中・高所得国含む)
    • 日本国内(成人人口ベース)
  • 測定項目
    • 糖尿病有病率(%)
    • 推定患者数(実人数)
    • 過去からの推移と将来予測

日本の糖尿病有病率と推移

世界

  • WHOの分析では、糖尿病の成人患者数は1990年 約2億人から2022年 約8.30億人へと約4倍に増加しました。
  • 一方、IDF Diabetes Atlas 2025(20–79歳対象)では、現在 5.89億人(成人の11.1%)2050年には8.53億人(“1 in 8”)と予測しています。

日本

  • 日本では、IDF推計(20–79歳)で有病率 8.1%、患者数 897万人(2024)
  • 国内調査(厚労省・国民健康・栄養調査等)では、1997年 690万人、2007年 890万人2019年推計 1,150万人と増加が示されてきました。直近の2022年調査では**男性16.8%、女性8.9%**が「糖尿病が強く疑われる者」とされています

糖尿病の原因:食生活・運動不足・肥満

  • 世界的傾向
    • 食生活の欧米化、都市化による身体活動不足、肥満増加が大きな要因
    • 特に低・中所得国での増加が著しい
  • 日本の傾向
    • 高齢化と内臓脂肪型肥満の増加が影響
    • BMIが低くても発症しやすい「やせ型糖尿病」も一定数存在
  • 将来予測の深刻さ
    • 医療費の増加、労働力減少、健康寿命の短縮など、社会的負担は甚大

糖尿病予防 -実生活へのヒント-

  • 予防の第一歩
    • 定期的な血糖値チェック(空腹時血糖・HbA1c)
    • BMIだけでなくウエスト周囲径も確認
  • 生活習慣改善
    • 主食の量や質(低GI食品を選ぶ)
    • 毎日30分以上の有酸素運動+筋トレ
    • 睡眠不足・ストレス管理も重要
  • 早期発見の重要性
    • 予備群の段階で生活改善すれば発症を防げる可能性が高い

まとめ

2型糖尿病は世界中で急増しており、日本も例外ではありません。

患者数の推移や予測からも、予防と早期発見の重要性は明らかです。

日々の生活習慣の中でできる小さな工夫が、将来の健康を守る大きな一歩になります。


引用文献

  1. World Health Organization. Diabetes. Fact sheet. 2024.
  2. International Diabetes Federation. IDF Diabetes Atlas 2025.
  3. 厚生労働省. 国民健康・栄養調査. 2021年版.
  4. Pan XR, Yang WY, Li GW, Liu J. Prevalence of diabetes and its risk factors in China. Diabetes Care. 1997;20(11):1664–9.

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