睡眠時無呼吸症候群の診断と治療法:生活習慣でできる工夫も紹介 - パフォーマンス向上の医学メディア

睡眠時無呼吸症候群の診断と治療法:生活習慣でできる工夫も紹介


睡眠時無呼吸症候群の基本について知りたい方はこちら

どうやって診断するの?

睡眠時無呼吸症候群は「いびきが大きい」だけでは確定できません。

病院では、次のような方法で診断します。

  • 簡易検査 → 自宅でできる検査キットを使い、夜間の呼吸や酸素濃度を測ります。この検査はスクリーニング(大雑把に睡眠時無呼吸症候群がありそうかどうか)のために行います。基本的には精密検査に進みますが、この時点で重症な無呼吸が認められる場合にはすぐにCPAP治療に向かうこともあります。
  • 精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査) → 病院に1泊して、脳波・心電図・呼吸の状態を詳しく調べます。この検査では睡眠段階(REM睡眠やnon REM睡眠)など睡眠状態の詳しい状況を調べることができます。
  • 診断基準 → 「1時間に何回呼吸が止まるか(無呼吸低呼吸指数:AHI)」で重症度を判断します。AHI≧20回/時間でCPAPの適応となることが多いです。それ未満の数値であれば状況によってマウスピース治療が選択されることもあります。

主な治療法は?

重症度や体型によって、いくつかの治療法があります。

  • CPAP(シーパップ)療法 → マスクをつけて空気を送り込み、空気の圧力で気道を開くことで睡眠時無呼吸を解除することができます。最も効果的で広く使われています。
  • マウスピース → 軽症の場合は、下あごを少し前に出す形の装置をつけて気道を広げる方法もあります。
  • 手術 → のどの構造に問題がある場合(扁桃肥大など)に選択されることがあります。最近では、舌下神経刺激療法という新しい手術療法も広がってきています。

生活習慣で気をつけたいこと

治療とあわせて、毎日の習慣を整えることも大切です。

  • 減量 → 太りすぎは大きなリスク。体重を減らすと改善するケースも多いです。
  • アルコールを控える → お酒はのどの筋肉を緩め、無呼吸を悪化させます。
  • 睡眠時の姿勢 → 仰向けは気道が塞がりやすいので、横向きで寝ると症状が軽くなることがあります。
  • 禁煙 → 喉の炎症やむくみを防ぐため、タバコは控えましょう。
  • 規則正しい生活 → 睡眠不足は無呼吸をさらに悪化させるため、十分な睡眠を確保することも重要です。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、検査を受ければ確実に診断でき、治療法も確立している病気です。

  • 代表的な治療は CPAP療法
  • 軽症なら マウスピースや生活改善も有効
  • 減量や飲酒習慣の改善は症状を和らげる大きな一歩

「大きないびき」「日中の強い眠気」がある人は、まずは検査を受けてみることが健康への第一歩です。

運動習慣をつけたり、食事/栄養の見直しをして睡眠時無呼吸症候群を予防しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の他にも、日中に強い眠気をきたす疾患として特発性過眠症ナルコレプシーがあります。

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