呼吸筋トレーニングの効果と方法|持久力アップ・疲れにくい体をつくる秘訣
呼吸筋とは?
私たちが呼吸をするときに働いている筋肉のことを「呼吸筋」と呼びます。代表的なのは次の通りです。
- 横隔膜(おうかくまく):お腹の中にある大きなドーム型の筋肉。息を吸うと下がり、肺を広げる主役の筋肉です。
- 肋間筋(ろっかんきん):肋骨と肋骨の間にある筋肉で、胸を広げたり閉じたりして呼吸を助けます。
- 腹筋群:強く息を吐くときに働きます。スポーツや歌唱などでも重要です。
呼吸筋は常に働いている筋肉ですが、普段の生活では「浅い呼吸」が多いため十分に鍛えられていないことが少なくありません。そこで役立つのが呼吸筋トレーニングです。
呼吸筋トレーニングのメリット
1. 持久力アップ
酸素を効率よく体に取り込めるようになり、長時間の運動で息切れしにくくなります。マラソン、サイクリング、水泳など「持久系スポーツ」に特に効果的です。
2. 疲労感の軽減
呼吸筋が疲れると「呼吸が苦しい」と感じやすくなります。呼吸筋を鍛えることで余裕が生まれ、全身の疲れも感じにくくなります。
3. パフォーマンスの向上
呼吸が安定すると集中力も維持しやすく、運動中のフォームも崩れにくくなります。特に瞬発的な動きと持久力の両方が求められる競技(サッカー、バスケなど)で有利です。
4. 姿勢改善・体幹強化
横隔膜や腹筋は体幹の一部でもあります。呼吸筋を鍛えると自然と姿勢が安定し、腰痛や猫背の予防にもつながります。
5. 健康への効果
スポーツをしない人でも、呼吸筋を鍛えると階段での息切れ軽減や睡眠の質改善など、日常生活の快適さが向上します。
呼吸筋トレーニングの具体的な方法
方法1:腹式呼吸(基礎)
- 仰向けに寝て、お腹に手を置く
- 鼻からゆっくり息を吸い、お腹を膨らませる
- 口から細く長く吐き、お腹をへこませる → 1日5〜10分、リラックスしながら行うだけで効果があります。
方法2:インスピレーショントレーナー(器具を使う)
専用の呼吸筋トレーニング器具を使うと、息を吸うときに抵抗がかかります。負荷を調整できるため、効率的に呼吸筋を鍛えることが可能です。
※市販品は「パワーブリーズ」などが有名。
方法3:運動と組み合わせる
- ジョギング中に「2歩で吸って、4歩で吐く」といったリズム呼吸を取り入れる
- 水泳で息継ぎを工夫する
- ヨガの呼吸法を練習する
→ 運動習慣がある人は、普段のトレーニングに「呼吸を意識する」だけでも十分に効果が出ます。
どれくらいで効果が出るのか?
個人差はありますが、一般的には4〜6週間で「息が楽になった」と感じやすいといわれています。持久系競技をしている人なら、タイムやスタミナに変化を感じるケースもあります。
注意点
- 過度に息を止めたり、無理に長く息を吐こうとするとめまいを起こすことがあります。
- 高血圧や心臓・肺に病気がある方は、医師の指導のもとで行うことをおすすめします。
まとめ
呼吸筋トレーニングは、スポーツパフォーマンスを高めるだけでなく、日常生活の快適さや健康にも効果があります。
- 運動が楽になる
- 疲れにくい体になる
- 姿勢や体幹も安定する
特別な器具がなくても始められるため、初心者からアスリートまで取り入れやすいトレーニングです。