HIITは週何回が最適?VO₂maxを効率的に伸ばす頻度と方法

「HIITは週何回が最適?初心者〜上級者別におすすめの頻度と方法」


初心者と上級者で違う?HIIT頻度の最適解

HIIT(高強度インターバルトレーニング)はVO₂max改善に最も効果的な方法のひとつですが、

「週に何回やればいいの?」

「初心者や上級者では違いがあるの?」

という疑問は多いところです。

今回は、**Milanovićら(2015年)Sultanaら(2019年)**のシステマティックレビュー・メタ分析を参考に、頻度と対象別の最適なHIIT方法をまとめます。


研究の概要

  • Milanovićら 2015 (Sports Med.)
    • 28件のRCTを統合
    • HIITと持続性有酸素運動(MICT)を比較
    • HIITはVO₂maxをより大きく改善(平均+6〜15%)
    • 特に 週2〜3回の実施が最も効率的
  • Sultanaら 2019 (Sports Med.)
    • 34件の研究をレビュー
    • 「低ボリュームHIIT」(1回15〜20分未満)の効果を分析
    • VO₂maxや心肺機能は十分改善可能
    • 時間効率が高く、初心者や運動習慣のない人にも適応しやすい

主な結果

週あたりの頻度と効果

  • 週2回:VO₂max改善あり(初心者・高齢者に適する)
  • 週3回:最大の効果(一般成人・中級者に推奨)
  • 週4回以上:追加効果は限定的で、疲労・離脱率上昇のリスク

対象別のおすすめHIIT

1. 初心者・運動習慣のない人

  • 頻度:週2回
  • 方法例:低ボリュームHIIT(自転車で30秒高強度+60秒休憩 × 6セット)
  • 理由:時間効率が高く、心理的ハードルが低い。安全性を確保しながら心肺機能を改善できる。

2. 中級者(定期的に運動習慣がある人)

  • 頻度:週3回
  • 方法例:4×4分インターバル(90–95%HRmaxで4分→3分休息 ×4)
  • 理由:VO₂max改善効果が最大化される。研究でも週3回が最も効率的と示されている。

3. 上級者・アスリート

  • 頻度:週3〜4回(シーズンや疲労管理に応じて調整)
  • 方法例
    • Tabataプロトコル(20秒全力+10秒休憩 × 8セット)
    • Little法(60秒高強度+75秒休憩 ×10セット)
  • 理由:高強度刺激によりさらなるVO₂maxの上積みが可能。ただしオーバートレーニングを避け、期間や周期を工夫することが必須。

考察

  • *Milanovićら(2015)**は、HIITがVO₂max改善に最も効果的で、週2〜3回が推奨されると結論。
  • *Sultanaら(2019)**は、低ボリュームHIITでも十分効果があるため、「運動初心者や肥満者にも適応できる」と示した。
  • 対象者ごとに強度と頻度を調整することで、効率的かつ持続的なVO₂max改善が可能。

実生活へのヒント

  • 忙しい人は → 週2回・15分の低ボリュームHIIT
  • 健康維持を目指す人は → 週3回・中等度のHIIT
  • パフォーマンス向上を狙う人は → 週3〜4回・高強度HIITを周期的に導入

まとめ

HIITの最適頻度は「週2〜3回」。

  • 初心者は低ボリュームHIITで安全に導入
  • 中級者は週3回で最大効果
  • 上級者は強度を上げつつ疲労管理を徹底

「自分のレベルに合った方法を選ぶ」ことが、VO₂max改善の鍵です。


引用文献

  1. Milanović Z, Sporiš G, Weston M. Effectiveness of High-Intensity Interval Training (HIT) and Continuous Endurance Training for VO₂max Improvements: A Systematic Review and Meta-Analysis of Controlled Trials. Sports Med. 2015;45(10):1469–1481.
  2. Sultana RN, Sabag A, Keating SE, Johnson NA. The Effect of Low-Volume High-Intensity Interval Training on Body Composition and Cardiorespiratory Fitness: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med. 2019;49(11):1739–1751.

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